最近、世間を騒がせている二人の人物がいた。
一人は、南スーダンで国際平和医師会を襲った武装集団と銃撃戦の末、負傷した韓国軍のイ大尉。もう一人はその軍人を救ったペク・ガンヒョク医師だ。
ペク・ガンヒョク医師は救急治療の重要さをメディアで訴え、設備の整備を求めているが、これが自分のところの病院だったら頭が痛いだろうなと俺は思っていた。
病院だってボランティアではない。健全な経営を考えなきゃならないのだ。聞くところによると、ペク・ガンヒョクの外傷センターは赤字を垂れ流しているため、所属するハングク大学病院の上層部と対立しているという。
ハングク大学病院と、うちのホギョン学術財団は直接の関係はないが、経営側の人間としては他人事ではない。興味深く見守っていた。
しかし、もっと興味があるのは、イ大尉のほうだった。
生え抜きの軍人だという彼の顔写真がメディアに登場したときは、俺は死ぬほど驚いた。
あいつにそっくりじゃないか!と、部下のひとりを思い浮かべたのだ。
驚いて聞いてみたところ、本人は自覚がないようで、「そんなに似てますか?」と怪訝な表情をしていた。
だが、それ以来、俺はイ大尉のニュースに釘付けになって追っていた。
劣悪な環境で、かなりの重症だったらしいが、幸い無事手術は成功し、帰国したという。しばらくは、毎日病状の経過が報道をされていたが、意識を取り戻してからは話題になる回数も減った。順調に回復しているようだったが、世間が忘れた頃でも俺はイ大尉のことが頭から離れなかった。
報道がなくなったなら、チャンスだ。
俺は、ある日の午後、ハングク大学病院の入院病棟を訪問した。
院長に、イ大尉に面会したいと伝えると、「なぜホギョン学術財団の理事が!?」と驚かれたが、病院への寄付を申し出ると態度が変わった。
イ大尉のいる特別室まで案内してくれた。
イ大尉はちょうど、リハビリから戻ってきたところで、車椅子に座っていた。
「あなたは……?」
不思議そうに俺を見上げた顔は、やはりあいつにそっくりだ。
いや、そっくりというレベルじゃない。瓜二つだ。
太く真っ直ぐな眉、黒目がちの大きな目、凛々しい鼻筋。
俺の好みのタイプど真ん中の顔だった。
「こちらはホジュン学術財団のハン理事です! イ大尉の支援を申し出てくださってます」
院長が俺を紹介してくれた。
「突然失礼しました。こちらのハングク大学病院とは直接の関係はないのですが、国民の英雄であるイ大尉に何か出来ないかと以前から考えておりまして」
「そんな…! わざわざおいでいただきましてありがとうございます!」
さすが軍人らしく、はきはきした喋り方だ。
「いやいや、とんでもない。英雄に直接お目にかかれて光栄です。院長、もういいので……」
「えっ?」
人払いすると、院長はやはり怪訝な顔をして、しぶしぶというように病室から出ていった。そしてやっと俺とイ大尉は二人きりになった。
「本当に、軍も補償してくれますので、お気遣いなく」
「金銭的な援助はいくらあっても良いでしょう」
俺は言う。
「それから、他に何か困っていることはないですか? 俺はあなたの力になりたい」
「ハン理事……!」
彼は感激したように俺の名を呼んだ。
「どんな細かいことでも構いません。俺に出来ることなら……」
すると、彼は恥ずかしそうに俯いた。
「実は……困っていることがあります」
「ほぅ、どんなことで?」
わたしは身を乗り出してたずねる。
「大変お恥ずかしいのですが、私は元来性欲が強くて、このような不自由な状態で、病院では、なかなか発散出来なくて溜まる一方です。とくに、あなたのような美しい人をお会いしてしまったら……」
あけすけな告白をしながら潤んだ目で見上げられて、俺は動揺した。
「それはお辛いことでしょう。いえ、俺も男なのでわかります。俺でお役に立てますか?」
「むしろ、あなたにぜひお願いしたいのですが」
イ大尉はまた恥ずかしそうに目を伏せた。
俺は吸い込まれるように、彼の下半身を見つめた。
勃起している。パジャマの布を押し上げているそれは、かなり大きそうだ。
あいつと同じくらいか……? この顔はちんちんがでかいと決まっているのだろうか。
ドキドキしながら、俺は、イ大尉に近づいた。
「拝見しても……?」
「どうぞ」
促されて、俺は彼の腰に手を伸ばし、下着ごとパジャマを引き下ろした。
ぼろんと中から現れたのは、引くほどでっかい勃起ちんちんだった。
しかも、色も形もあいつのちんちんとそっくりだ。
顔が似ていると、ちんちんも似ているらしい。
俺は、彼の前で跪き、両手でそれをそっと握った。
「俺のためにこんなに大きくしてくれてるんですか?」
「はい、あなたのせいです」
「それじゃあ、責任を取らないと」
そう言って俺は舌をべーっと出して、血管の浮かんでいる根元から先っぽに向かって舐め上げた。
「あっいきなり!」
怯むイ大尉に構わず、俺は何度も根元から舐め上げ、ちんちんをさらに固くさせた。
「気持ちいいですか?」
「は、はいっ、とっっても」
俺の舌に感じてくれたイ大尉は、先っぽから先走りを垂らし始めている。
男の欲望の匂いが広い病室に充満しているようで、俺は興奮していた。
さらに、口を大きく開けて咥えようとしたところ、そこで病室のドアが開いた。
「大変です!」
「うわっ」
よもや医師か看護師が入ってきたかと、死ぬほど驚いたが、違った。
「えっ、何なさってらっしゃるんですか? ハン理事」
部下のあいつが入ってきたのだった。
「び、びっくりさせるな!」
驚いたのは俺だけでなく、自分そっくりの男が現れたことに、イ大尉も目を丸くする。
「申し訳ありません、つい」
部下は謝って、病室のドアを後ろ手に閉めた。
「で、何をなさってらっしゃるんですか?」
目の前でちんぽを握っている主人に向かって、悲しそうな飼い犬のような目で見つめられ、俺は答える。
「こ、これは人助けだ。国民の英雄が性欲処理に困っていたところを俺が助けようとしているところだ」
「なるほど! さすが、ハン理事! なんてやさしいお方でしょう……!」
思いの外、あっさりと部下は引き下がった。
「それよりおまえこそ何なんだ、いきなり入ってきて」
部下が近づいてきて、イ大尉と距離が近くなると、ますます瓜二つに見えた。
二人のちんちんを合わせたらとんでもない太さになるぞ。
そんな考えが頭をよぎって、内心ワクワクするのを顔に出さないよう努めた。
「あ、それが、実はイ大尉とわたしが生き別れの兄弟だということがわかりまして」
「えぇっ」
声を上げたのはイ大尉だった。
「道理で……」
むしろ俺は納得した。
「だから、ちんちんまで似ているのか」
「えっ、そうなんですか!?」
聞き返したイ大尉に、俺は部下の方を見た。
「そうだろ? おまえのも見せてみろ」
「え、今ですか?」
部下は、恥ずかしそうにしながらも、ベルトを外し始めた。
ズボンと下着を下ろして、出てきたちんちんを見て、今度は俺が驚いた。
「何でおまえも勃起してるんだ?」
「ハン理事が生き別れの兄のちんぽを握ってるのを見ていたらムラムラして……」
「特殊な性癖だな……」
俺は呆れたが、それ以上に興奮していた。
「まぁいい。こっちへ来い。まとめて面倒見てやる」
「はい!」
部下は、見えない尻尾をぶんぶんと振りながら近づいてきた。
「ほら、見ろ。そっくりだろ」
俺は、右手にイ大尉のちんちんを、左手に部下のちんちんを握って言った。
「本当ですね」
「同じ形してますね」
二人は同時にうなずいた。
俺は、でっかいちんちんを二本も手にして、興奮が抑えきれなかった。
「二人共、俺が今からイかせてやるからな」
両手でちんちんを扱きながら、先っぽの丸い表面に交互にキスをする。
二人はむずがゆそうにもじもじして、どんどん俺の顔にちんちんを押し付けてくる。
「待て、おまえたち……」
交互に咥えてやっても、空いている方が我慢できなくて頬をぐりぐりする。
唾液と先走りでびしょびしょになったちんちんは、欲情した男の匂いを発していて、俺はめまいがしそうだった。とうとう我慢できなくなった二人は、俺の口の中に同時に突っ込んで来て、けれどおさまるわけがないから、顔になすりつけるようにして腰を動かし始めた。
「はぁっ♡ はぁっ♡ こら♡ もう♡」
「申し訳ございません、ハン理事。我慢できなくて」
「初対面なのにすみません、ハン理事」
二人は荒々しい呼吸をしながら謝りつつ、ちんちんを俺の口の中や唇や頬で擦って、しだいに動きが速まっていく。
「あ♡ すごい♡ 濃い匂い……♡」
二人は限界を迎えるのも同時だった。
ぷしゃあと弾け飛ぶような音がして、両側から粘つく白濁が放たれた。
「はわわ♡」
ぴゅるぴゅるとしつこく出てくる精液を顔で受け止めて、俺はむせ返った。
「ぷはっ、クリームだらけになったぞ」
口の周りについた精液を舐め取って文句を言う。
「申し訳ありません!」
「いちいち謝らなくていいが」
首を振る俺に、イ大尉が言う。
「あ、その棚にタオルがあります」
「失礼、お借りします」
そこから部下がタオルを取ってきて、水道で濡らし、顔を拭いてくれた。
「目を閉じてください」
「んー」
丁寧な手つきで顔を拭かれていると、横でイ大尉が感謝を述べた。
「ハン理事、あなたはなんと慈悲深い方なんでしょう。おかげで助かりました。でも、とにかくたくさん溜まっていたので、一回じゃまだ満足できなくて……」
「そうだろうな。まだこんなに元気だ」
俺は、萎えていないイ大尉のちんちんを見て言った。
「お恥ずかしい」
照れるイ大尉に、俺はたずねた。
「ベッドに移れますか?」
イ大尉が肯いたので、部下が手伝って、彼は器用に車椅子からベッドに移動した。
「良かった。これで思いっきり大尉を発散させてあげられます」
「いいんですか……!?」
感激の面持ちのイ大尉に俺は頷き、それから部下の方をちらりと見た。
「おまえも一緒に手伝うだろう?」
すると、部下はぱっと顔を輝かせて返事をした。
「はい! もちろんです!」
そうと決まれば、俺は潔く服を脱ぎ始めた。二人も慌てて上半身も裸になる。
服を脱ぎ捨てた俺は、ベッドの上に横たわっているイ大尉の腰の上に膝立ちに跨った。
俺も興奮して勃起していた。あられもない格好の俺に、イ大尉は大層興奮している様子で、鼻息を荒くしている。俺はいい気分で、イ大尉のでっかいちんちんの上に乗っかった。
「んぅ♡」
尻の穴に充てがって、体重をかけていく。
少しずつ中へ入っていく。とはいえ、先っぽを挿れるだけでもひと苦労だ。
「あ♡ あっ♡ はぁ♡」
腹の奥に入っていく感覚にぞくぞくする。
「ふーっ♡ 入った、ぁ♡」
根元近くまでなんとか腰を落として、イ大尉のちんちんの熱さを堪能する。腹の中が灼けるように熱い。
「ハン理事……」
感激しているのか、目元が潤んでいるイ大尉を見下ろしてから、部下のほうに目をやると、こちらはひどく物欲しそうな顔をしていた。かわいいやつだ。
「どうした? おまえもこちらへ来い」
「えっ、こうですか?」
俺の指示の元、部下はイ大尉に背を向けて腹の上に跨った。
「んー?」
目を閉じて唇を突き出すと、部下は即座に噛みつくようにくちづけてきた。
「ん……♡ んっ♡ んっ♡」
「あっ、ハン理事、これは……っ」
キスしながら、腰をゆるゆる動かすと、ちょうど部下のちんちんと俺のちんちんがぴったりくっついて、ぬるぬる擦れる。
「んんっ♡ はぁ♡」
後ろにイ大尉を咥えこんで、前は部下と擦り合わせて、快感でとろけそうになる。
「あっ、ハン理事の中、すごいですっ。熱くて、狭くて、うねうねして……最高です!」
イ大尉は感想を述べながら、下から腰を突き上げる。
姿勢のバランスを取るために、イ大尉の両手に指を絡ませると、ぎゅっと握ってくるから胸がきゅんとした。
部下もイ大尉もどちらもかわいくて、俺に夢中になってくれるから嬉しい。
満たされた気分で、腰をくねらせる。
「はぁっ♡ あんっ♡ あぁっ♡ あっ♡ あっ♡」
目の前の部下とぴったり抱き合いながら、顔を前に出すと、イ大尉が見事な腹筋で上半身を起こし、キスをしてくれた。
「んん♡ んーっ♡」
部下のでっかいちんちんから溢れる先走りが、俺のと混じり合って、敏感な先っぽが擦れ合うたびに体が跳ねあがる。
「あっ♡ きもちい♡ よすぎるぅ♡」
自然と腰が動いてしまう。
不規則に突き上げられるのもたまらない。
「ハン理事、また、出そうですっ」
イ大尉の宣言に、俺は何度も肯く。
「出せ、いっぱい出してくれ!」
「ハン理事、わたしもです!」
「いいぞ! たっぷり出せ」
許可を与えると、二人の動きがいっそう激しくなった。
「はぁぁっ♡ あんっ♡ 俺も、イッちゃうぅ♡♡♡」
また二人はほぼ同時に射精した。
一方は腹の中に、一方は腹の上に、たっぷりと精液をぶちまける。
その勢いにつられて、俺もドライで絶頂を迎えた。
「あぁぁぁっ♡♡♡ うぅーっ♡♡♡」
硬直して、そのあとがっくり崩れ落ちる。
「ハン理事! 大丈夫ですか!?」
「うぅ……♡♡」
部下に抱きとめられ、腕の中でびくびくと痙攣した。
長い絶頂はなかなか覚めやらない。
快楽の波が去ったと思えば、また襲ってくる。
「はぁ……あっ♡ ふぅ……♡」
何回も波を乗り越えるのを、二人が見守ってくれていた。
やっと落ち着いた俺の体を横たえられて、二人に両側から挟まれる。
二人ともうっとりした表情で、交互にキスをねだってきた。
ちゅっちゅ、ちゅっちゅ繰り返していると、また二人のちんちんが元気になってきているのが視界に入る。
俺はそれらに両手を伸ばして、再び握った。
「まだまだ足りなさそうだな。続き、はじめようか?」
「はい!」
「お願いします!」
両側から抱きしめられて、俺は押しつぶされそうになりながら笑った。
おしまい